最近、「なので」という接続詞が流行りつつある。例えば「今期わが社は赤字になりそうです。なので、冬のボーナスを一割カットします」という風に使う。会社の同僚に何人かこの「なので」をよく使う人がいるし、この前テレビのトーク番組でもアナウンサーが言っていたし、新聞のコラムでも見た。
そもそも「なので」という接続詞は無い。「ナニナニなので」という場合の「なので」は、助動詞「だ」の連体形「な」+接続助詞「ので」である。なので、本来は「今期わが社は赤字になりそうなので冬のボーナスを一割カットします」というように使うのが正しい。この文を二つに分けるなら「今期わが社は赤字になりそうです。だから、冬のボーナスを一割カットします」という風に言うこともできる。
なんで「なので」が使われるのだろう。「なので」は文章を二つに分けたにもかかわらず、何となく繋がった感じを出すために使われているような気がする。でも、なぜそういう感じを出そうとするのかはよく分からない。「だから」とか「それで」、「したがって」というような接続詞を避けたい理由があるのかもしれない。誰かが「なので」と言うのを聞くたびに、僕は反射的にその理由を考えてしまうのである。
なお、ボーナスの話はフィクションです。
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