正しいチャーハンの作り方
2004-12-29


僕はチャーハンというものが好きではなかった。日本の中華食堂のチャーハンは油っこくて胃にもたれるから、あまりいい印象がない。それで中国に行った時も最初のうちは炒飯(チャオファン)を食べようとはしなかったのだが、他の人が頼んだのを食べてみると意外にもあっさりさっぱりしていておいしいではないか。中国で食べる炒飯は全然油っこくないし、すごく薄味なのだった。そういえば、10年くらい前に神戸の中華街の某店で食べた炒飯もあっさりしていておいしかった。つまり、炒飯はあっさりと薄味なのが正しいのである。

日本に帰ってから、僕は正しいチャーハンの再現にチャレンジすることにした。まず市販の「チャーハンの素」というのを使ってみる。1.熱したフライパンに油大サジ1、溶き卵1個を投入し、箸でかき混ぜてスクランブル・エッグにする。2.卵が固まらないうちに茶碗2杯くらいのご飯を投入、刻みネギとチャーハンの素を振りかけて炒める。以上。すごく簡単である。食べてみると、インスタント食品の常として「チャーハンの素」は味が濃すぎる。醤油がかなり入ってるようだ。僕の料理の師匠である「お料理基礎百科(主婦の友社)」のレシピにも醤油を入れろと書いてあるが、それは正しい炒飯ではないと思う。焼き飯ですね。

次に、同じ作り方で「チャーハンの素」の代わりに中華調味料「味覇」を使ってみる。「チャーハンの素」と比べると、醤油味が無い分、正しいチャーハンに一歩近付いたような気がする。これはこれで、適当に具を入れれば土曜の昼飯として文句の無い出来だとは思うものの、僕が目指す味には未だ到達していない。僕の記憶する中国のチャーハンはもっとあっさりしていて鶏ガラスープの味がした。そうだ、鶏ガラスープで作ればいいのではないか? そう思って「味覇」の缶をよく見ると、「鶏骨・豚骨をベースに云々」と書いてある。その「豚骨」のおかげでコクが出ているのだが、正しいチャーハンにはそんなコクはいらない。

そこで今度は「鶏ガラスープの素」(顆粒)を買ってきた。スーパーの棚を探すと何種類かあったが、原材料に豚が入っているヤツもある。僕が必要としているのは、純粋な鳥ガラスープである。「鶏ガラスープの素」(分量はスープ1人分と同じ)を使って、いつもと同じようにチャーハンを作ってみると、だいたい僕の求めていた味になった。これはうまい!

しかし、まだ本当に正しいチャーハンとはちょっと違う。中国で食べた炒飯には1センチ角くらいに切ったレタスが入っていた。炒めたレタスというのはシャキシャキして意外に良い。それと、ご飯がもっとふっくらしていた。多分、冷や飯じゃなくて炊いたばかりのご飯を使うのだろう。冷や飯はチンしてから使うとふっくらする。そういうわけで、とにかく塩も胡椒も醤油も使わず鶏ガラスープだけで、拍子抜けなくらいアッサリしているのが正しいのである。

[飲食]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット