日記
1999-02-25


昼に会社を出て、銀行へ行き家賃等を振り込む。銀行から近くの駅まで歩きながら見上げると、低い雲が空を埋め尽くすように浮かんでいる。雲の間からは所々に青空が見える。遠くの方は晴れていて、大阪湾の彼方には六甲山が青く霞んでいる。おいしい穴子寿司で有名な店の前を通るが、買っても食べる場所を思い付かないのであきらめる。

電車で難波まで行く。高島屋でウェッジウッドのダージリンを買う。それから、前に発見したトンカツ屋に行き、一口カツ定食を注文する。待っている間、ビールを飲むかどうかについて悩む。メニューに「生ビール(小)300円」と書いてあるのをじっと見つめる。定食が運ばれてきて、食べ始めてからも悩む。カツはとてもおいしい。大きめの茶わんにたっぷり盛られたご飯もおいしい。前に来た時は奥歯の詰め物がとれていて、気にしながら食べていたら唇を噛んでしまったことを思い出した。3分の1くらい食べたところでビールはやめておくことに決める。平日やし。

ジュンク堂書店へ行く。先に地下のCD屋に寄る。確かここのサービスカードを持ってたよな。500円分くらい貯まっていたはずだ、と考えながら階段を降りていく時に何となく不吉な予感がする。静か過ぎるのだ。ドアの前まできてみると、店の中は空っぽだった。ドアの張り紙に「諸般の事情により閉店いたしました」と書いてある。サービスカードの扱いも終了させていただきます。サイフを調べて、今では価値の無くなったカードを確認する。ついでにタワーレコードのポイントカードも期限切れになっているのを発見する。1000円分ある。がくっ。

本は大漁だった。斉藤美奈子「読者は踊る」、村上春樹「使い道のない風景」、南伸坊「顔」、R・D・レイン「自己と他者」、他に脳関係2冊。一万円以上お買い上げにより、飲み物のチケットをもらう。3階へ行き、村上春樹さんが「無人島に持っていくならこの本」と言っていた「研究社リーダーズ英和辞典」も買う。また飲み物チケットをもらう。前回の分と合わせて3枚になった。そのうちの1枚を使ってオレンジジュースを飲む。濃縮果汁還元。

日本橋のワルツ堂へ行って、奥田民生「月を超えろ」、エリック・クラプトン「PILGRIM」、小野リサ「ボッサ・カリオカ」、ジェフ・ベック「BLOW BY BLOW」を買う。全員ギタリストであることにふと気がつく。そうか、僕はギターを求めているのだな。

高島屋に戻っておいしそうなパンを買う。家へ帰るべく、人込みを歩く。昼からずっと歩き回っていたので疲れた。本が重い。特にリーダーズ英和。わりと背の高い女の子に抜かされる。細いジーンズに濃い緑色のダウンジャケットを着ている。スタスタと歩くのに合わせて短めの髪がフワフワと上下に揺れている。会社帰りらしき周りの人々とは違うリズムで歩いているなあと思いながら、だんだん遠ざかる彼女の後姿を目で追っているうちに南海難波駅に着く。来る時は確かにここから来たが、帰りは地下鉄で天王寺に行かなくてはならんのだった。ぼおっと歩いてたら間違えた。

電車を降りると夕日が差していて空の雲はどこかに消えていた。駅から家に向かって歩いていると、前から来た軽ワゴン車の運転手がすれ違いざまに会釈した。反射的に会釈を返しながらチラッと見えた顔はいつも行く酒屋の店主だった。家に着いて、そろそろ奥さんと子供が帰ってくる頃だなと思いつつ今日買ったCDを聴く。聴きながら流しにある食器を洗う。奥田民生の「メリハリ鳥」という曲が気に入った。何年ぶりかでギターを引っぱり出してきて、弾き語りの「MOTHER」に合わせて弾いてみる。


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