「trick & tweet」 コトリンゴ
2009-11-07


これは傑作。

デビュー作は打ち込みポップで、2作目では生楽器の分量が多くなり、今回は生楽器主体になった。今まではジャズとクラシックの要素が感じられたが、エレキギターを使うようになってロックっぽい雰囲気も加わった。イメージ豊かなサウンドであることは変わらず、できあがった音楽の品質はますます良くなっている。ジャズもクラシックもロックもコンピュータ・ミュージックも、コトリンゴのフワフワ声を中心とするポップに統合されてしまった。

作詞、作曲、編曲、歌、演奏の全てに才能が感じられる。色々な才能があるということではなくて、「音楽」という一つの才能を色々な形で表すための努力を積み重ねた結果だろうと思う。しかし、その核にある才能は天性のものであるような気がする。天才と努力によって創造的でありながらポップな表現に到達しているのではないか。

この人の音楽は色々な意味で良くできているが、特に優れているのは編曲だ。音の組み合わせ方が立体的かつストーリー性が感じられて面白い。ジャンルやフォーマットに囚われず曲ごとに違うアプローチで音を描いていて、しかも14曲もあるので内容が膨大である。数回聴いたくらいでは全然消化できず、20回くらい聴いてやっと全貌を把握しつつある。聴けば聴くほど良さが分かる。

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