「Kind of Blue (Legacy Edition)」 Miles Davis
2009-06-04


ジャズの頂点というべきアルバム。今年はリリース50周年なのでCD2枚+DVDという特別なバージョンが出た。オマケは没テイクやライブ音源、別のレコードで発表された同じメンバーの曲、テレビ番組のスタジオライブ映像など。日本盤は3786円もするが、UK盤なら2626円。Kind of BlueのCDは持っているけど欲しくなって買った。

目あてはDVDである。Kind of Blueを称える番組みたいなのは冗長。昔のスタジオライブは良い。アメリカのテレビでは50年前にこんなカッコイイものをやっていたんだなあと感心する。でもマイルズはこの頃も人種差別を受けていたのだ。

Kind of Blueは知的でクールでカッコ良くてどうみても傑作なのだが、「マイルス・デイヴィス自叙伝」を読むと、本人は失敗だったと言っている。子どもの頃に聞いたゴスペルのフィーリングを再現しようとしたのに、まるで違うものになってしまったから、ビューティフルだが失敗なのだという。思い通りにいくことよりメンバーの創造性を優先した結果である。ジャズの本質は即興ということにあるから、「思い通り」のものができてもしょうがないわけか。

マスターテープの不具合でA面3曲のピッチがおかしかったという話がある。'92年頃から正しいピッチのCDが出始めたようだが、僕が持っていた古い方のCDと今回買ったものを聴き比べてみると、たしかに新しい方がちょっとだけ音が低い。音質も少し良くなっている。

このCD+DVDセットを真剣に聴いたせいで、久しぶりにジャズがマイブームになった。最近ジャズばかり聴いている。ジャズはiPodのイヤホンじゃなくてスピーカーで聴きたい。スピーカーからジャズが流れるとジャズ喫茶にいるような気がしてくる。

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