先々週観た。公開14週目の平日というだけあって80席のスクリーンに20人くらいしか入っていない。最近できたシネコンに初めて行ったのだが、座席の段差が大きくて前の人の頭が気にならず画面が見やすかった。
話を過激に単純化すると、「トトロ」の舞台を海辺に移して登場人物の男女を入れ替えたようなもの。春に読んだ「虫目とアニ目」に宮崎駿が提案する町のイラストがあった。町の中心には保育園があって隣に高齢者施設も作る。「ポニョ」の主人公の少年が通う保育所も高齢者施設と同じ敷地にあって、少年は老人たちと顔なじみであることが強調される。今「虫目とアニ目」を見てみると、この高齢者施設はホスピスだったのか。イラストの日付は'02年である。5年後に映画にしたわけだ。
宮崎駿の作品はそれぞれ主人公の年代に向けて作られているような気がする。主人公の年齢が高いほど話が複雑になる傾向がある。「ポニョ」の主人公は5歳だからこの話はかなり単純である。そう思っていたのであまり期待せずに観たが、意外に面白かった。幼児向けだけあって頭より感覚に訴える映画だ。
例によって謎や疑問がいろいろある。少年はナゼ両親を名前で呼ぶのか。ポニョは海から来たのに水道水で大丈夫なのか。お母さんはなんでそんなに車の運転が荒いのか。ポニョのお父さんの計画は何を象徴しているのか。ところでそのお父さんの声をやった所ジョージは声優としてかなり優秀だと思う。
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