我が家ではワインを飲むとしたら千円前後のイタリアワインを買うことが多くて、フランスワインのことはよく判らない。しかしフランスの中心的銘柄はロートシルトというものらしいというかすかな知識だけがある。昔、村上春樹がロートシルトの赤は良いけど2万円くらいするのでそうそう飲めないと書いていたが(「村上朝日堂の逆襲」)、そんな高いものは買う気もしない。
この前、生協の宅配食材のカタログにバロン・ド・ロートシルト・サガ・Rというのが載っていて、2200円くらいだった。訳すと「ロートシルト男爵、Rの伝説」で大層な名前だが、ネットで調べるとロートシルトの廉価版とのこと。どんなもんか買ってみることにした。
大晦日に佐賀牛を食べながら飲んだら、なるほどうまかった。口当たりが滑らかで、香り、甘み、渋味、酸味などのバランスがとても良い。文句の付けようもないが、あえていうなら優等生的で面白味はない。想像していたとおりの味である。2万円の世界は不明だが、ワインの評価軸みたいなものはちょっと判ったような気がする。でも一回飲んだからもういい。
それにしてもワインの瓶は重いしヨーロッパは遠い。フードマイレージ的には問題がある。安くてうまい日本産ワインが無いか探求してみる必要がある。
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