おいしいビ−ルの作り方
2001-04-21


僕の適量は缶ビ−ル1個くらいで、2個飲むと酔っ払い、体調が良くなければ頭が痛くなる。つまり、かなり弱い。外に飲みに行くことは滅多にない。去年1年間で飲み会に行ったのは1回だけだった。でも、お酒は好きである。ほとんど毎日缶ビ−ル1個くらい飲む。僕はおいしいビ−ルが飲みたいので大手ビ−ルメ−カ−の新製品が出たら大体飲んでみるのだが、どれもほとんど同じだということが判った。もちろん微妙な違いはあるのだが、全然違うものが他にあることを知ってしまうと、ほとんど同じだということになる。

昔、あるスキ−場のレストランで「サム・アダムズ」というビ−ルを飲んだ時に「おいしいビ−ルは麦の味がするのだ」ということを知った。日本の大手ビ−ルは麦の味がしない。麦の味がせずに苦い。キリンのラガ−が60%のシェアを占めていた時代からの伝統である。ビ−ルが苦いのはホップを使っているから当たり前だ。ビ−ルは苦いからいいのだともいえるが、ホップは苦いのと同時に青臭いニオイもする。そして、日本のビ−ルは青臭い。

ちゃんとしたビ−ルというのは麦の香ばしさが勝って青臭くない。ホップの青臭さを消すのはモルトの香ばしさだ。ちゃんとしたビ−ルが香ばしいのはモルト(麦芽)がたくさん入っているからである。おいしいビ−ルはモルトの量が多いのだ、と僕は推測する。日本の大手ビ−ルは原料のモルトが少ないのだとしか思えない。モルトが少ないからホップの苦味と青臭さが目立つのだろう。

ビ−ルの材料のほとんどは水と麦芽エキスである。麦を発芽させたものが麦芽だ。麦が発芽する時に麦のデンプンは麦芽糖に変わる。モルトエキスをなめてみると甘い。モルトを水で煮込んだ汁にイ−スト(酵母)を入れておくと、イ−ストが糖分を分解してアルコ−ルと炭酸ガスに変える。そうやってできたものがビ−ルである。麦芽の糖分は分解されるが他の成分は残る。残った成分が麦の味として感じられるわけである。ホップは雑菌の繁殖を抑えるのと風味を付けるために加えられるようだ。

ビ−ルの作り方の大筋はこうだ。水にモルトエキスを入れて30分から1時間くらい煮込む。途中で何回かに分けてホップを投入する。煮込んだ汁を冷ましてペットボトルに詰めてイ−ストをパラパラと振り入れる。半日もすると発酵が始まって炭酸ガスの泡が出てくるので、朝晩キャップを緩めてガスを抜く。1週間ほどで泡が出なくなったら、1次発酵が終ったことになる。泡が出ないのは糖分が全て分解されたしるしだ。消毒した瓶に麦汁を詰めて、砂糖を少し入れて栓をする。砂糖は瓶の中で2次発酵させて泡を出すために入れる。瓶詰からまた1週間で2次発酵が終わり。後は冷蔵庫で冷やせば、しっかり麦の味がするおいしいビ−ルが飲める。うまくやれば、とても細かくて香りの良い泡が出る。

こうして自分で作ると、とてもおいしいビ−ルが小瓶1本当たり100円くらいでできるのだ。発泡酒より安い(ただし、法律で個人はアルコ−ル1%以上のお酒を作ってはいけないことになっているので、ちゃんと薄めなければイケマセン)。同じようなビ−ルを買ってこようと思ったら、日本の地ビ−ルで3倍、輸入ビ−ルだと5倍くらいの値段になる。どう考えても自分で作った方がいいので、僕はここ数ヶ月、月に一回15本ずつ作っている。

[飲食]

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